胸部大動脈に対するオープンステント手術 ~開発にいたるまで~

自作オープンステント手術をテーマにウイーンでのヨーロッパ心臓胸部外科学会での発表(2009年11月 ウイーン、オーストリア)

私、内田は1992年から2年間のフランス臨床留学(その間、心臓手術を約800例経験)を終え、広島の地で心臓血管外科の執刀医としてスタートしました。その当時、弓部大動脈手術の成績は極めて不良で、その成績向上が最大の課題でした。そこで出会ったのがオープンステント手術でした。

オープンステント手術は、弓部大動脈治療のために1994年加藤雅明先生によって考案された術式です。ステントグラフトによる血管内治療と開胸手術を組み合わせた元祖ハイブリッド手術です。この自作のオープンステント手術をいち早く導入し、さらに急性大動脈解離にも応用し、海外の著名な学会および論文に発表しました。その甲斐あってFrozen elephant trunk法という術式で世界中に認知されるようになりました。

日本においても、オープンステント手術用のステントグラフトを企業ベースで製品化するための臨床治験に携わり2014年日本初のステントグラフトが承認されました。診療報酬点数にもオープン型ステントグラフト内挿術(K560-2)が掲載され、現在も国内で年間数千件の本術式が行われています。

その功績が認められたのかどうかは定かではありませんが、現在もヨーロッパの胸部心臓血管外科の最高峰であるEACTS誌のassistant editorの一員としてEACTSおよびそのsecond誌のICVTSの査読をさせていただいています。

心臓血管センター センター長 内田直里

オープンステント手術